今はなんでもクラウド化(インターネットを通じて管理できる)が進んでいます。クラウド化する事により、まず出来る事が広がります。
例えば鍵で言うと、遠隔操作が出来ます。今までは赤外線・Bluetoothを使用して、離れた場所から鍵を開けることができましたが、通信ができる距離は決められていました。一方、Wi-Fi通信によって無線でインターネットへ接続された鍵の場合は、スマートフォンのアプリやパソコンから簡単に操作することが出来ます。
鍵は個別に発行するキー情報となり、いつでも削除・登録・変更ができるので、時間貸しのオフィスやレンタルスペース・会社の中で利用され始めている次世代の鍵が今普及し始めています。
しかし、便利な一方で注意しなくてはならない点もあるのが現状。ではどんなところに注意すべきかご紹介します。
Wi-Fi通信による脆弱性
赤外線・Bluetoothの場合、本体と鍵(携帯やリモコン)の間のみで通信を行います。大規模なビルの電気錠は、制御盤から操作できるよう電気システムが導入されています。しかし、クラウド化した鍵は一旦インターネットへ接続されます。簡単には漏れない仕組みであっても、脆弱性が心配です。お粗末な製品であると、セキュリティが弱い可能性もあります。
サービス終了で使えなくなる
メカニカルキーの場合、たとえ鍵メーカーが潰れてしまっても鍵は使い続けられますが、アプリを使用して開ける鍵の場合はサービス元がサービスを終了してしまった場合に鍵が使えなくなります。南京錠型の「246Padlock」はスマートフォンで開けられる南京錠でしたが、2016年にサービスを終了し終了日以降は鍵が開けられなくなると発表していました。
サーバー障害・システム障害で一時使えなくなる
LockState社の製品「RemoteLock LS-6i/6000i」というスマートフォンで開けるクラウド型の鍵の場合、2017年8月におよそ500人の利用者が一時操作不能になりました。鍵はインターネットを通じてシステムの改良、ソフトウェアのアップデートが行われることがあります。いちいち新しい製品に交換せずに最新の状態へ改良されることはクラウド型のメリットでもありますが、こちらの場合はアップデートに失敗した事により鍵がサーバーへ接続できなくなる障害が起きました。サーバーへ接続できないので修正も遠隔で行うことが出来ず、利用者は鍵を外しメーカーへ修理に出すか新しい鍵がくるまで2週間待たなくてはならなくなったのです。その間、ドアに鍵が無いことになるので、不便この上ない。
まとめ
脆弱性、サービス終了、サーバー障害など、メリットもある反面デメリットも考えなくてはなりません。特に自宅の鍵としては、錠前本体がクラウド型のものは万が一のことを考えて使用を避けた方が良いでしょう。内側のツマミを動かすカバー型の電子錠であれば、取り外していつもの鍵で開けることができますが、クラウド型はやはりセキュリティ面で不安が残ります。Bluetooth・赤外線型の電子錠を検討してみて下さい。
オフィスやレンタルスペース、民泊施設などでは、デメリットを知ったうえでも十分にメリットを感じられる製品ではあります!